
絵画
油彩、キャンバス
162.0×130.3cm×3点
227.3×181.8cm
4点
水は、冷たさや温かさ、静けさや荒々しさなど、
常に多様な表情をまとって存在している。
水族館は、その変化を最も近くで感じられる場所だと思う。
波立つ水槽もあれば、凍りつくほど静謐な水槽もある。
私の作品には生き物は登場しない。
水槽という空間に満ちる“水そのもの”を見つめてほしい。
水が内包する質感や時間、静かな力強さを読み取ってもらいたい。
水深を示していると思われるこのタイトルは、単に水の深さを指しているだけではなく、水槽の前に立ったときに私たちが身体的に感じる圧力のような感覚としての深さ、さらには鑑賞者と作品とのあいだに生まれる関係性としての深さをも示唆しているのかもしれません。作品の前に立つと、私たちはそうしたいくつもの「深さ」を感じ取りながら、作品との距離や作者との関係性を静かに探っているようにも思えてきます。
作者が捉えようとしている「水」という物質の多様な様相は、水族館の水槽という多くの人に共有されたイメージを手がかりとしながら、キャンバスと絵具という水とは異なる物質によって表現されています。異なる素材を通して水の感覚や存在感を画面上に立ち上げることで、鑑賞者の身体感覚や想像力を喚起し、作品と鑑賞者とのあいだに独特の距離と関係性を生み出している点に、この作品の魅力が感じられます。