学校法人トキワ松学園 横浜美術大学 Graduation Exhibition Archives 卒業制作アーカイブ

絵画

渡邉 敬悟Watanabe, Keigo

2025最優秀賞
Y・2025/9/30.2:34
Y・2023/8/24.10:19
一服
朝日が染み込む
F・2023/4/1.9:35

油彩、キャンバス

130.3×162.1cm×3点
181.8×227.3cm×2点

5点

制作者コメント

日常に佇む喫煙者を描く。火をつけてから煙が消えるまでの短い時間に、思考が漂うような浮遊感のある時間が流れる。それは私たちにとってかけがえのない大切な時間である。
私は福島で生まれ育ち、東日本大震災を7才で経験した。その時私の日常は一変した。失って初めて何気ない日々の大切さを知り、復興の中で日常が戻っていく過程に言葉にできない美しさや喜びを見た。いつ失われるかわからない脆さがあるからこそ、今ここにある日常が尊い。

教員コメント横湯 久美 教授

作者は福島で生まれ育ち、7歳で東日本大震災を経験している。大学進学を機に横浜へ移り、横浜の風景を眺め、福島との距離を感じながら福島について考えてきた。卒業制作ではそれをより意識的に捉え、制作を通して考えようとしている。

作品では二つの内容が扱われ、それらを一つのシリーズとしてまとめている。まず、人にとってかけがえのない日常のありがたみを、仲間と過ごす喫煙の場面によって表している。表情や衣服の細部まで描こうとする様子から、身近な特定の人物を描こうとしていることがうかがえる。

もう一つは風景画である。福島と横浜の風景を描いているが、描き込みは少なく、明快で思い切りのよいタッチによって画面が成り立っている。登場人物は若く健康的な雰囲気を醸し出し、空へと気持ちがつながっているかのような感覚を与える。風景画では地面に水色が用いられ、大地と空がつながるように響き合う画面が印象的である。