学校法人トキワ松学園 横浜美術大学 Graduation Exhibition Archives 卒業制作アーカイブ

映像メディアデザイン

近藤 日菜子Kondo, Hinako

2025優秀賞

インスタレーション、アニメーション

100×100×100cm

1点

制作者コメント

子宮を模したバルーンにアニメーションを投影。
中に映るのは母胎の記憶と胎児の想像がリンクしたアニメーションになっている。

教員コメント三橋 純 教授

本作は、友人たちとの対話から着想を得て、現代を生きる若い女性の「心と身体」を多層的に描き出したインスタレーション作品です。
空間に吊るされた巨大な風船には、蹲り、時に倒錯する裸の女性のアニメーションが投影されています。
その姿は、風船を「子宮」という根源的な器に見立て、女性が抱える逃れられない閉塞感や生の苦悩を象徴しています。
登場する女性たちの表情に笑顔はなく、どこか悲痛な影を帯びて観る者に問いかけます。
光と影が生む物語性 プロジェクターの光が壁面に描き出す「月蝕」のような影と、風船の直下に静かに広がる「水溜り」。
これらのエレメントが、言葉にできない孤独や痛みを静謐に増幅させています。

本作の最大の評価は、論理や言葉では掬い取れない「魂の叫び」を、芸術表現という形で見事に昇華させた点にあります。
デリケートな主題に真摯に向き合い、その繊細な感性が多くの人の心を震わせる高評価へと繋がりました。