
映像メディアデザイン
インスタレーション
400×490×380cm
1点
大きさに差はあっても、誰でも感じたことのある家族との関わりによって生まれる感情を否定せず包み込める作品を作りたいと思い制作しました。 心の底にはあの時言いたかった言葉が沢山押し込められているかもしれません。そのことに気づかず成長し、愛を求め、寂しさは連鎖していくと考えています。見て見ぬふりをしてきたかもしれないし、本当に気づいていないかもしれないけれど自分を慰めて助けてあげて欲しいです。
本作は、自身の生い立ちを遡り、家族や兄妹との関係性を空間へと定着させたインスタレーションです。2台のプロジェクターが過去の断片を映し出す空間には、アサガオのプランターやブランケット、猫の寝場所、ランドリーバスケットといった日常の品々が、演劇のセットのように配置されています。
「子供の視界」という宇宙 幼少期の自分にとって、これら身近な道具の一つひとつは「世界の全て」でした。親のわずかな声の荒らげや表情の翳りさえ、子供にとっては逃げ場のない恐怖であり、文字通り「世界の終わり」を感じさせる出来事だったのです。
本作は、誰もが幼い頃に抱いたであろう、この切実な不安や孤独を可視化しています。
不可視の情動を映す鏡として言葉や文字では表現し得ない心のゆらぎや、あいまいに混ざり合う記憶の状態。それらを芸術表現によって見事に物質化・空間化した点が高く評価されました。
鑑賞者はこのセットに対峙することで、自分自身の奥底に眠る「かつての世界」と再会することになります。