
ビジュアルコミュニケーションデザイン
イラストレーション、グラフィックデザイン
240×360×120cm
本展示は、絵本「へんなやつら」を中心とした展示作品です。
とおい宇宙からやってきた宇宙人「へんなやつら」は、興味を持った生き物の姿や色、形を模倣しながら「ともだち」になれるように共生を試みる習性があります。
へんなやつらにはまだまだ解き明かされていない謎が沢山あります。
最初にへんなやつらがこの星へ降りたのは約40億年前ではないかという説があり、人間やそのほかの生き物とは全く違う時間、生死の概念をもって日々を過ごしていると考えられています。
また、生き物の模倣はあくまでも生き物の見た目を勝手に解釈した姿であり、本質の理解には途方もない時間がかかるようです。
この作品は、普段忙しなく毎日を過ごす人達へ向けて、見に来た人が自分の速度で作品を鑑賞し余白を感じられる時間を作ってもらうことを目的としています。そのため、絵本も文字での情報量を最小限に抑えています。
相関図とミニパネルにはへんなやつらが出会った生き物、これから出会うであろう生き物たちが並んでいます。
自分がへんなやつらだったらどんなところを模倣するだろうか・・・・・・。
そんなことを考えながら鑑賞するとへんなやつらのことを少しだけ理解できるかもしれません。
へんなやつらのおめんを付ければあなたのことを模倣するへんなやつらに変身することもできます。
悠久の時をのんびり過ごすへんなやつらたちが、あなたの人生の余白を作るきっかけになれば幸いです。
1960年代以降、ブルーノ・ムナーリといったグラフィック・デザイナーによる絵本制作が活発化し、絵本は視覚的空間操作を含むビジュアルコミュニケーションのメディアとしても注目されてきました。
五月女さんは、かねてより自主制作してきたシリーズ作品「へんなやつら」を主題に、これまで学修してきた手法を統合し、卒業制作の集大成として結実させました。
ぬいぐるみやアクリル画、映像制作など多様な媒体で培った造形力は、図と字、平面構成、色彩構成、キャラクターデザインの力に裏打ちされ、1シーン、1キャラクターのみでも成立する強度を備えています。高いコミュニケーション力を発揮する彼女だからこそ、相手と交信し、その立場を理解しようとするまなざしが物語全体に貫かれています。
読者は「へんなやつら」を通して、その豊かな共感力を追体験することになるでしょう。
「あなただって何者にもなれる。へんなほうがきっと楽しい。」―そんな静かなエールさえ感じられる本作は、4月からデザイナーとして新たな一歩を踏み出す五月女さんから、観る者にそっと力を与えてくれる作品となりました。