
イラストレーション
イラストレーション
112×145.5cm
2点
理想の姿を考えると、好きなことを考えているはずなのに自分はこうなれないと沈む気持ちがある。そうして生まれた偶像は、心の奥に沈み積もっていく。それでも、私は彼女を描くことで自分を少しだけ前に進める力に変えている。
デュシャンの登場後、アートはますますコンセプチュアルとなり、社会との関わりを求められるようになりました。しかし近年その反動か若いアーティストは個人的な主題を扱うものが多くなってきたように感じます。日本では伝統的にたとえば小説世界で私小説が主流であったように、自分自身を見つめ掘り下げるというアプローチは馴染みのあるものでもあり「私とは?」を他者に投げかけることで、同世代の鑑賞者との共感を産みだします。彼らは時代の証言者でもあり記録者でもあるのです。それはまたイラストレーションの同時代性という特性でもあります。
彼女は自身の「青」へのこだわりと、理想的な人間像の探究を4学年の作品制作を通じて繰り返し行ってきました。「なぜ青が好きか?」繰り返される質問への回答は未だ出せずにいる中で、制作を繰り返すことで自身に問いかけ続けています。そのこだわりと探求の中で深められたエッセンスが人物像に現れ、その目線が観る人にもなにかを問うのです。