学校法人トキワ松学園 横浜美術大学 Graduation Exhibition Archives 卒業制作アーカイブ

テキスタイルデザイン

秋葉 友里Akiba, Yuri

2022優秀賞
sala animali

シルクスクリーンプリント、インクジェットプリント、フックドラグ
綿、ポリエステル、反応染料、分散染料、顔料

500×500×500cm

教員コメント加藤 良次 教授

作品「sala animali」はイタリア語で動物部屋と言う意味である。作者はイタリアブランド「seletti」から受けたインスピレーションを元に制作している。ハンドスクリーン捺染技法を用いた動物柄のリピートプリントテキスタイルとフックドラグ技法によるラグマットに展開した作品をショールームのような空間に構成した。プリント柄はトラ、シマウマ、タコ、カエルの4種であるが、それらは作者が普段、興味を持ち、好んで使うモチーフであり在学中の課題にしばしば登場する。この「好き」であることは作品制作には大切でシンプルな要素であり、形へのこだわり、時間を掛けることで、より多くの情報を集め、研究を極めることができる。また、長期にわたる制作期間のモチベーションを高い水準で維持するという理由になる。作者はプリントを主とするテキスタイルの鮮やかな色彩に囲まれ、それを創り出す楽しさを知っている。そして、プリントをする行為自体をも楽しんで制作している。特にリピートプリントは繋がった時や、完成したプリントテキスタイルになった時の喜びは大きく、グラフィックとして平面として見ること、立体として仕立て上げることで変化するデザインの楽しさを表現できる。展示空間の中央に置かれた椅子はまさにその象徴と言えるが、あくまでも主役はトラ、シマウマ、タコ、カエルである。今後の制作に期待するものは大きい。