学校法人トキワ松学園 横浜美術大学 Graduation Exhibition Archives 卒業制作アーカイブ

テキスタイルデザイン

大橋 響Ohhashi, Hibiki

2022最優秀賞
enhancement

フックドラグ
綿、麻、ポリエステル、レーヨン、アクリル、発泡スチロール、意匠糸

150×106×2cm、65×65×3cm、
110×80×5cm、110×120×28cm、
100×100×25cm

5点

教員コメント高瀬 ゆり 准教授

作品タイトル『enhencement』は宝石用語で「宝石の持つ性格を活かし人為的に潜在的な美しさを引き出す処理」の意味を持ち、それは作者が自分の好きな石を自分が思う一番美しい形状で表現したいという思いと重なりました。この作品は作者が幼い頃から大好きだった鉱石をモチーフとしています。糸や布といった柔らかい素材を使い、石という硬質なものを表現する挑戦を試みています。全てハンドフックガンを用いたフックドラグ(タフテッド)技法で制作し、立体と平面を組み合わせることによりダイナミック且つ繊細な表現が存在感を放ち大きな魅力となっています。鉱物は人間の精神性に影響すると言われていますが、この作品の前に立つと鉱物のパワーと融合するような感覚になります。鉱物の持つ希少性と美しさをテキスタイルの表現に置き換えた、見る者のインスピレーションを高めて癒しを与えてくれる作品です。