学校法人トキワ松学園 横浜美術大学 Graduation Exhibition Archives 卒業制作アーカイブ

映像メディアデザイン

賀 盛麟HE SHENG LIN

2021優秀賞
RETRIEVE

3DCGアニメーション

映像 5分

教員コメント三橋 純 教授

ゲームやSF映画を好む作者は、2年生より3DCGのパーツを制作し数多くデータストックを続けていました。それらの素材を管理しながら3年次ではモーションキャプチャーの検証をはじめ、モーションデ ータをストックに追加していきました。unreal engineの導入を考え、勉強や実験を重ね、プラグインやasset素材を収集し総合的な制作環境を整えていったのです。「RETRIEVE」の物語は、仮想現実と現実の境界線がテーマとなっており、コロナ禍によって一層加速したネット依存やゲーム依存に加え、遠隔授業によってモニター越しに友達と会い授業を受ける環境が作品に大きく影響をしています。流れている時間が記憶なのか現実なのか、作者は私たちの日常を変えてしまったリモートライフを観念的に描いているのです。オープンワールドの様な仮想空間は、トビラを挟み現実の世界へと繋がっていることで、自粛や巣ごもりなどコロナ禍の生活を強いられながらも、自分の存在がリアルであることを気付かせるのです。作者自身の歩き姿もモーションキャプチャー素材としてラストシーンに使っています。高度な技術を表現に昇華させ、工夫と研鑽された制作プロセスは非常に高く評価されました。