学校法人トキワ松学園 横浜美術大学 Graduation Exhibition Archives 卒業制作アーカイブ

ビジュアルコミュニケーションデザイン

望月 歩夢Mochizuki, Ayumu

2024優秀賞
スマホ首ビジュアル

イラストレーション、ブックデザイン

250×360×360

1点

教員コメント加藤 弥生 准教授

日本における情報機器作業に伴う労働衛生上の問題は、1980年代半ばからとりあげられるようになり、厚生労働省からの行政指導が始まって以来、約40年が過ぎました。望月さんのスマホ首という研究テーマは、三年次の公共ポスター課題の時から取り組んでいますが、この40年以上解決しない社会問題を、多岐にわたるビジュアルコミュニケーション手法を用いて、実にユーモラスに可視化してくれました。スマホを使用すると首に小学生1人分の負荷がかかる、という文字情報だけを見た時の印象と、実際に小学生が首にもたれかかっているビジュアルを見るのとでは、問題の深刻さへの理解度や心理的印象が大きく異なります。人類が進化したその先に、もしスマホ首人間だらけの世界が広がってしまったら・・・。この作品は、地獄の世界を絵画化した仏画のように、スマホ首による問題を分かりやすく伝え、解決に導くための教育的な役目も持ち合わせています。深刻な問題も笑いを交えて語ることのできる望月さんの人間力を基盤として、文字と図を取り扱うビジュアルコミュニケーションデザインコース/専攻での学修成果、教職課程での学びも、大いに生かされた集大成となりました。