ことわざの一つに"歩く姿は百合の花”という言葉がある。大きく咲き、凛としたその姿に魅了され、そんな人になりたい。
ひとりでは大きく咲くことはできず、多くの人に出会い、多くの人に助けられた4年間。繋がりがあったからこそ根を張り、軸を持つことが出来た。そんな4年間を表現した作品。

凛とした百合のようにありたい、という意思の象徴である中央の百合の花は堂々と咲き誇っており見る人を惹きつけます。花びらには百合の花のモチーフがプリントされており、作者の大好きな百合の花への想いが伝わります。連結した壁面の5枚の布は、手描きによる原画をインクジェットプリントにした温室のイメージで、観葉植物のグリーンが印象的です。花の根本には、タフティングによるラグが効果的に敷かれており“繋がり”を表したマクラメ技法による根が四方八方に伸びています。それぞれ異なる素材による技法を丁寧にこなし、真摯に取り組む制作姿勢が常にみられました。この作品の世界全体が、大学で過ごした４年間のパラダイスであったかの様に表現されています。タイトルの「4yr」はまさに作者の過ごした充実した４年間であり、その集大成の卒業制作にふさわしい作品として完成度の高い作品に仕上がりました。