写真
写真
145.6×103cm
3点
籠の中の鳥が大空の雲を恋い慕うことから、とらわれの身にある者が自由な境遇に憧れることのたとえ。
それまで自分の憧れやなりたかったものなれなかったものにこだわりポートレートト撮影をしてきた作者は、自身を見つめ自身にカメラを向けることで辿り着いた作品としてこの「籠鳥 雲を恋う」が誕生しました。モノ心が付いた頃から何処にいても居心地の悪さや孤立感が拭えなかった作者は、その根源が何処にあるかを探り始めました。そして向き合う自分の内なる中には、生い立ちや家族の影、友人や好きな人の影もあり、制作に至る苦しい道のりとなりました。
好きな場所、よく通っていた場所に何度もロケハンに行き、場所を決めました。自分の存在を未来に向け絶望させるのか、羽ばたかせるのかをその場所に託し、対象を良く考えました。作者は防波堤に立ち空想上の羽を開くことで、絶望より空を見上げることを決断しました。大学生活を終え家族からも独立しようと社会へ出る今まさに、微かなそれでいて光の刺す夢と希望の空へと飛び立とうとしているのです。