映像メディアデザイン
インスタレーション
おしいれを秘密基地にして、大好きなおもちゃや本をギュッと詰め込んだような、そんな子供の頃のワクワク感をそのままに、大人になった今でも大切にしているものを詰め込み、自分の今の姿を表現している。
この作品「おしいれ」は、幼少期に絵を描くことが好きだった作者が描いた一枚の絵が原作となっています。世界を形づくる幼少期の頃、身の回りにあるものはおおよそ自分が大好きなものに囲まれ、それらに包囲されることで子供は社会を作り、世界観を学んでいくのです。その作り上げた世界は安心感に満ちているのです。しかしながら成長するにつれ言葉を覚え、他者や社会性、常識ややってはいけないことを知り、自分が作り上げた世界は徐々に崩壊していくのです。
作者はそんな幼少期の思い出やイメージを作品にしました。押し入れや納戸、クローゼットを秘密基地にして、そこにお気に入りのものをたくさん配置する。自分だけの居心地の良い空間を作り上げることで、社会や外界との隔たりを作り安全地帯を確保するのです。この作品はそういった作者の幼少期から変わらぬ安全地帯を具現化したものです。こだわり抜いた世界観を構築しネバーランドに仕上げた力作となっています。