修復保存
論文
油彩
サンプル
立体・額縁
4点
本研究のテーマは「美観修復」である。研究対象の2作品は、1960~70年代の薔薇が描かれた油彩画と火縄銃レプリカの額装作品である。メディアが異なる2作品の組成・劣化要因について考察し、それぞれ実作品の修復内容について比較、考察した研究である。
油彩画修復工程の中では美観修復の重要性とその方法、修復倫理について言及し、立体額装作品における実用品としての修復方法とは大きく異なる点を挙げている。修復とは一様なものではなく、修復目的の深い理解と判断に則ってなされるべきことである。それは彼が修復保存コースで異なる3分野の修復を学習するなかで興味を持ち研究し続けた核心的な考えである。
また、今回は修復だけでなく、さらにその後の作品保存額装についても研究し、メディアごとに相応しい額装、展示まで行っている。
異なる2作品に対する一連の修復実践を一貫して自主的且つ真摯に取り組み、達成することができた点も高く評価された。