プロダクトデザイン
モビリティ
木材、スタイロフォーム、布
60x115x200cm
1点
プロダクトデザインの作品発表は、イメージの可視化として外観を重視したプロトタイプモデルを用い、他者に説明するということが今までの常識的な到達点でした。しかし今や充電式モーターなどの動力機構は一般の人でも入手でき、インターネットではさまざまな乗りものがDIYで制作されている様子を見ることができます。進化する時代のなか、今までの常識を飛び越え、実際に走行して体験できる乗りものを制作しました。
大学入学後に自動車に興味を持ち始めた作者は、その構造や成立ちなども自分で調べるようになり、のめり込んでいきました。まさに「好きこそものの上手なれ」を体現しました。最終学年になると4月から車輪の数や位置を次々と変える試作を行い、「楽しめる操作感」を追い求めていきました。既存の自動車とは違う3輪車の機構となり、クイックでリニアな操作感が特徴です。外観のデザインにも既存のものと異なるチャレンジがあります。すべての人が楽しめる乗りものを目指し、操作感を探し続けたプロセスも評価された要因です。
「実際に乗って操縦できる乗りものを作りたい」という自己の欲求と「人と車の新しい関係を作りたい」という社会的な欲求が融合した作品です。