杉崎泉さんは「周りの目を気にせず、気の向くままにのびのびと暮らしている『のびのびズ』という生き物」の日常を描いた絵本を7冊完成させました。
のびのびズは、なにかをされてもあまり気にしない、自分がこだわっていること以外には、とことん無関心なキャラクターです。
1冊ごとに登場する異なる主人公を中心に、特に何も起きないけれど、ふんわりと眺めていたくなるような日常を描いています。
他者との距離感を気遣いながら、とかくせわしないと感じることの多い現代社会において、ゆるやかな気持ちになるひとときは誰もが求めているものです。
そのきっかけをもたらす、改めてナンセンスのセンスを感じさせる、とてもやさしい絵本たちです。
デジタルとアナログを自由に行き来しながら、オリジナルのテクスチャーを制作し、全て曲線で描いたキャラクターたちの表情や細やかなアイテムまですべてすみずみまでが楽しく、とても魅力的な作品です。