絵画
平面
油彩、キャンバス
130.3×648.4×3cm
1点
作者によると、作品を一つにまとめる大きな楕円の形は「人間の脳の形」からきていて、楕円の外の幾学パターンは、「情報を脳まで運んでくれるニューロン」を描いたものだそうだ。更に、この作品は見る者が「意識的に自我について考察する場」として作用して欲しいとも述べてもいる。
とは言え、ここで見えてくるものは、果たして「人間の脳」の仕組みや有り様なのか。あたたかな世界観を、落ち着きのある土性顔料を多用した、懐かしい絵画の手法で語ろうとしているように感じられる。黒い大地と透明感のある広い空が大画面にゆったりと描かれる。二人の人が抱き合い静かに寝そべっている。そのゆったりとした穏やかな表情は心地良く、溶け合う二人の人体の形は魅力的であり、人と人の形として説得力がある。
生物の脳を構成する神経細胞のニューロンとは、もしかしたら、この作品の様に天地をも逆さに捉えながら、情報を繋いで私たちの思考を作っているのかもしれない。意識的にニューロンと関係付け考察しようとしてみた。