映像メディアデザイン
映像
9分40秒
この作品は、自らが主将を務めた高校剣道部の最後の試合がテーマとなっています。
幼い頃から兄の影響で始めた剣道を高校まで続けており、高校最後の全国大会を剣道の聖地福岡で主将として参戦しました。拮抗する試合の最終戦、期待と重圧の中で主将である作者は、面を2本取られ優勝を逃したのです。優勝に至らなかったこの試合で、作者は心に大きな傷を負って高校を卒業し本学へ入学してきました。心の中に残った負の感情や蟠りに向き合うためにこのアニメーションを制作しました。
しかし制作にあたり母校を訪れ、旧友に再会してみると負の感情を引きずっているのが自分だけであったことを知り、作品制作を通して自分が過去を乗り越え、成長した事を確信しました。
母校の稽古試合に参加し、後輩や顧問の先生の許可を得て試合を撮影し、その動画を元に臨場感のあるロトスコープアニメにしました。
防具をつけた剣士の主観的な眼差しと心理をアニメ表現方法を用いて見事に表現し鼓動、息遣い、声援、床の擦れる音、竹刀の当たる音など、剣道の間合いを音と作画で緊迫感のある表現を成功させました。
その躍動感や緊張感は実写さながらの演出効果となり、剣道未経験者ですら剣士の緊張感が伝わり、鑑賞者の身体に竹刀が響く秀逸な作品となった。緊張感あふれる音の構成は秀逸で、素晴らしい傑作となり最優秀賞となりました。