熊と女の子の物語です。この二人はイラストレーションコースの課題制作で度々登場してきました。その最終章としての大型作品を制作しました。イマジナリーフレンドとしてのぬいぐるみの熊、そして作者自身でもあるかと思われる女の子の親密な関係は多くを語らなくとも、子供時代になんらかの形でそうした友を持ったことのある人にとって共感性を感じるかと思います。この作品では無邪気にお嫁さんごっこをする女の子と少し寂しげにも見えるクマの表情（彼の脳内の世界は後ろのステンドグラスに表現されています）から「理想と現実」を観るものは感じるかもしれません。アクリルガッシュで細部まで丁寧に表現された技法は学生時代の４年間を通じて揺るがず、この大型の作品でも隅々まで気を使い計画的に筆を置いています。イラストレーション表現として非常に優れた仕上がりになりました。