ビジュアルコミュニケーションデザイン
写真
アクリル・Photoshop
10×10×2×cm
45点
タイトルは「水のかけら」。テーブルの上に、小さく切り取られた美しい水のオブジェがずらりと整然と並んでいます。それらは様々な表情を見せる水の標本のようでもあり、小さいながらもクリアで硬質な透明感を持つ物体として強い存在感があります。思わずその「水のかけら」の中に視線が吸い込まれていきます。厚みのある透明アクリルの中にあたかも本当に水が入っているかのように錯覚してしまいます。実は、この作品は写真の作品です。作者は長い時間をかけ、海をはじめとする様々な水の表情を追いかけ続け、膨大な量の写真を撮り続けました。水という被写体は、もちろんひとつとして同じ波紋はなく、また、時間や場所によって驚くほどその色彩や表情に変化を見せます。それら切り取られた画像を分厚い透明アクリルに印刷したというシンプルな表現なのですが、どうしてこれほどまでに美しいのでしょうか。その新鮮な視点に感銘を受けました。