絵画
キャンバス 油絵具 スプレー
194×162cm
5点
130号五枚のキャンバスに油彩とリキテックススプレーで描かれた作品である。
作者はこのシリーズを「手人間」と呼び、誰もが自己を投影しながら見られるように、頭部を手に置き換えて描いたのだと言う。
光は主要なテーマである。確かに、頭部として描かれたその手は、光を受け祈っているかのようだ。その光によって出来た陰影を、油彩により古典的に描写した上で、新しい画材であるリキテックススプレーでスピード感を演出し、現代的な表現へ融合させることに成功している。
「望キ込ム」では、人の望みや目標の価値ついて考えている。さらに「存在証明」では、自らの個性を見つめようとしたこの4年間を振りかえり、未だ捉えきれないその個性と、普遍的な物事についての関係を探っているとある。
自らと絵画を起点に、世界を読み解こうと大きく格闘し、新しい人物画の提案をしようと努めているその態度に大いに期待する。