作者は多くの映画や文芸作品、アニメーションを鑑賞し、それでも尚まだ見たことのない作品を探し続けていました。そんな中、自分が探している作品は自分で作ればいいことに気づき、オリジナルの作品テーマや設定、技法などを研究し始めました。独特なキャラクター、奇妙な設定や世界観は、哲学的でもあり精神世界を彷徨う近未来の人類の様でもあります。或いは人類を超越しようとする実験的な試みは、人類が死を知り、他者を認識した頃の宗教の発祥を感じさせます。壮大なテーマを学生作品で扱うには実写では難しいことを理解していた作者は、アニメーションの抽象性がそれをクリアすることに可能性を感じ、この作品を制作しました。完成度の高い技術力、表現力、世界観設計、全てにおいてこの作品はアニメーション表現の可能性を提示してくれているのです。全会一致で最優秀作品となりました。