学校法人トキワ松学園 横浜美術大学 Graduation Exhibition Archives 卒業制作アーカイブ

クラフト

清水 英理果Shimizu, Erika

2022最優秀賞

金工

120×180×240cm

教員コメント丸山 祐介 准教授

この作品のテーマは「生と死」である。神話・伝説の生きものであり天空に昇り自在に飛翔すると言われる竜をモチーフにしており、闇と光など対になる表裏一体や二面性(正反対の性質)を持つものとして制作に取り組んでいった。作品自体は鋭い鱗が重なり合う勢いあるうねりと、骨となり朽ちてしまった表現を組み合わせることで生と死を繰り返す=輪廻転生という意味を込めている。また生命にとって重要な存在である水が、時と場合によってはとても脅威(水災)なものになるということを、水と関わりのある竜の存在とその姿勢を用いて表している。
鉄材を用いて鍛金技法や鍛造技法によって組み上げているが、テーマに沿った表情を付けるために金鎚で叩き模様を付けたり、バーナーで加熱し酸化膜による表面処理を施すなど、見事にオリジナリティーのある世界観を実現している。約5ヶ月に渡る卒業制作期間全てを使い切り、細部にまで拘った、ひときわ緊張感と風格のある作品が仕上がった。