作者の河合さん自身が小さい頃に毒虫に刺されて怖い経験をしたことから、子どもたちに毒虫についての知識を知ってもらいたいと思い、楽しみながら自然と知識を得ることが出来る毒虫のカードゲームを企画制作しました。それぞれの毒虫の簡単な説明が書かれたカードには毒の強さごとに４段階のポイントが設定されていて、参加者自身が毒虫になり、一定のポイントを獲得すると毒虫駆除の人間に捕獲された自分たちの幼虫を助けることができて、どれだけ助けられるかを競うゲームです。一見矛盾したようなルールですが、参加者が毒虫になることで毒虫に興味を持ってもらう意図があり、シンプルなルールでありながらゲーム自体のコンセプトはとても深いです。毒虫たちの親近感あふれるキャラクターデザイン、商品化される前提で作られた制作物全体の完成度の高さなど、作者本人の真摯な思いが素直に伝わってくる有意義な仕事で、全てにおいて大学生の卒業制作のレベルを超えている作品になりました。