テキスタイルデザイン
スクリーンプリント、インクジェットプリント、フックドラグ
300×400×200㎝
9年間作者と共に成長してきた兎が亡くなり、その面影を探すことが制作のテーマになった。兎の表情、しぐさ、癖やそぶり、全てが愛おしく、思い出す度にその時々の自分の成長過程と重なり思い出となって蘇ってくる。“ダマスク柄”という左右対称の均整の取れた模様は植物や花がつながったように繰り返すデザインで、ヨーロッパでは定番模様である。作者は兎のモチーフを入れたダマスク柄と兎のパターン柄をデザインし、壁紙と茶箱に使用している。インクジェットプリントとスクリーンプリント技法により制作されたプリント柄は、エレガントなデザインの中に兎への思いを込めた優しさしさが込められている。円形ラグと茶箱の蓋は、フックドラグ技法によるレリーフ表現で、今にも動き出しそうな兎の姿に丁寧な手わざが伝わる作品だ。どの作品も繊細な色の調子にこだわりを見せており、作者のセンスが感じられる。