プロダクトデザイン
照明
20×60×15cm
日本文化の特徴のひとつに、住まいの内と外の境界を曖昧にして自然を内に取り込む、という手法があります。例として縁側や土間という場は、現代の住宅ではあまり見ることのできない中間の場と言えます。
このプロダクトのモチーフとなった植物は、はなみずき。よく見かける身近な植物です。屋内に自然界の「季節の移り変わり」を持ち込み、インタラクティブに接する3つの特徴が、私たちを楽しませ癒します。
1つ目の特徴は革という素材であり、独特な張りやステッチの様子は、接する者を惹きつけます。同じく革でつくられた花や葉は、簡単に付け替えることができます。花や葉を付け替える行為がインタラクティブであり魅力的です。
2つ目は「フック」として与えられた機能があります。作者は家の鍵を忘れて出かけることが多く、このプロダクトを通じて解決したいという想いがありました。
3つ目は間接照明としての役割です。このプロダクトは玄関近くに設置されるイメージで制作され、玄関先での忘れ物や屋外の季節感に優しく気づかせてくれます。
複数の要素を持ちながら強引さや無理を感じさせず、自然と接することができ、時間の経過とともに愛着が湧いてくる。このような、ささやかな楽しみと癒しのあるプロダクトが必要性を増してくることを予感させる提案です。