プロダクトデザイン
木工
200×94×94cm
身を嗜むツール「mitato(ミタトゥ)」とは、お洒落を楽しみたい男子のためのメイクルームです。作者は、日常的にメイクやファッションを通じて身だしなみを意識しています。自分の部屋は楽屋であり、家族と共用の廊下やリビングは、バックヤード。玄関の向こう側には自分が主役となるステージが広がっている。そのようなイメージをしながら生活し、身だしなみを整えることをエネルギー源とし、気分を盛り上げ楽しんでいます。
そのエネルギー源を、同世代の人たちはどのように捉え、楽しんでいるのかが興味の対象となり、「身だしなみ」という言葉を再構成した「身を嗜むこと」をテーマに研究を開始しました。アンケート調査の結果、男性のメイクに対する欲求とその行為への躊躇が浮き彫りになりました。その様な趣向を持つユーザーが、家族や周囲の目を気にせずにメイクに没頭できるスペースを提案しデザインすることに至ったのです。
10角形の全体像は、面によって構成される宝石のようなイメージ。螺旋状に開いた隙間からは中が見えすぎることもなく、周囲を気にせずメイクを行えます。内側の各面にはミラーが設置され、合わせ鏡の効果により拡大した空間と煌びやかな空間を演出し、気分を盛り上げてくれます。
「お洒落を楽しみたい男子のための」という着眼点は昨今注目されるジェンダーレス視点も含み、いわば誰でも家族や周りの目を気にせずお洒落やメイクを楽しめ、誰もが自分らしく誇らしく生きるためのユニバーサルな提案といえます。