絵画
アクリル、キャンバス
227.3×162cm
2点
作者の母の肖像です。常に働き力の限りを尽くそうとする母、同時に「寝ている時が一番好き」という母、よく知っているはずの母という存在を大画面で描くことで新たに見つめ感じています。
母の背に現れるひたむきな姿と緊張感を、どのような色彩と形で表現するのか試行を重ねています。画面を縦横上下に動かし探ったような構図も特徴的です。共に暮らし時に寝そべり接する家族とは、実際にはこのような位置で眺めるものなのかもしれません。親しい人の像の在り方として自然に受け入れることが出来ます。
眠る時の浮遊感や心地よさを羊水に見立て、肌が溶け込んでゆくような色彩を見つけ出していると言います。ここで描かれた淡い光とは、母に注がれる日の光なのか、母が発し娘に照し与えようとする特別な内からの光なのか、見る者を引きつけます。「重ねた筆跡や色を読むように鑑賞して欲しい」とも作者は語っています。私もここではそのように眺めてみました。