絵画
油彩、キャンバス
194×97cm
3点
作者は、3年次から迷うことなく若く健康的な脚を対象に描き続けてきた。描く脚について本人は「艶かしいものではなく、アスリートの健脚でもない脚そのものが持つ力強さと魅力を、自身の意識や興味のフィルターを通して形にした」と述べている。つまり特別な脚ではなく身近にいる若い女性の脚であり、それは人間が日常的・普遍的に行う、歩き、移動し、活動するために十分な脚である。そのような日常において見過ごされてしまう特別ではない脚だからこそ、人体の持つ普遍的な美にも通じる存在感を放っている。
人体部分は、繰り返し絵の具を重ねることで肉体の質感や存在感を高め力強い表現を生み出しているのに対して、背景は対称的に無機的な青いビニールシートとしたことで脚の健康的な美を際立たせていて効果的である。作者が自ら定めたテーマに迷うことなく取り組んだことで生みだされた秀作である。