東北の震災時などで問題になったペットの避難や、コロナ禍で安易に描い始めたペットの飼育放棄などに対して、もともと動物好きだったこの学生が強く関心を持ち、そこから「ペット防災の本」を企画制作した。このタイプの本はまだきちんとしたものが世の中に存在せず、自分で獣医へインタビューしたり、これまでの災害時のペットの避難状況や地方自治体の現在の対応などを丹念にリサーチし、それをもとに企画立案して、文章・デザイン・イラストは全て１人で行い、150ページ近い冊子にした。１人でも多くの人に手に取ってもらえるように、深刻なテーマであるにもかかわらず親しみやすいイラストを使い、このまま書店で販売してもおかしくないほどにエディトリアルデザインの完成度を上げていて、全てが学生レベルを越えており、本校のビジュアルデザインの４年間で学んできたことが思う存分生かされた深い作品になった。