ビジュアルコミュニケーションデザイン
切り絵
ふすま紙、ファンシーペーパー、木製パネル
100×80.3×3cm
2点
多種多様な無数の色紙を貼り合わせて制作された大型の切り絵作品です。タイトルの《綺生》という造語がとてもユニークです。作者曰く「綺麗」と「寄生」の両方の意味が込められているようです。確かに美しい「綺麗」な色彩を放つカメレオンや蝶が女性に「寄生」しているように見えます。女性の顔にアイシャドウのように施された装飾や、背景の繊細な植物文様も耽美で独特な世界観を創り出しています。左側の寒色系の色彩でまとめられた画面は凛とした緊張感があり、対する右側の暖色系の色彩でまとめられた画面は妖艶な美しさを醸し出しています。この2つの画面の色彩対比が表現をより強固なものにしていると言えます。同時に、このように多種多様な複雑な色彩を美しく調和させる配色には、作者の傑出した豊かな色彩感覚を見出すことができます。また、画像ではわかりにくいのですが、素材となっている無数の紙の微妙な厚みが絶妙なテクスチャーとなり、作品に見応えと適度な重厚感を与えている点も見逃せません。