彫刻
陶、ガラス、ミクストメディア
174×65×60cm
自然の中で一人過ごせる理想郷を表現した本作。作者本人よりも少し大きな熊の像を大自然の象徴とし、ガラスで出来た透明な少女像が周囲と溶け込むように熊の頭上で眠りについている。
熊の像はテラコッタで出来ており、陶土をヒモ状に伸ばして積み上げるヒモ作りで制作されている。また、少女像は石膏型にガラスの粉を入れ、窯の中で溶かして成形するパード・ド・ヴェール技法を用いて制作された。
直立する熊の像と小さな少女像というシンプルな構成の作品であるが、大きさ、素材、色彩、展示場所など、作品を構成する全ての要素を的確に選択しているため表現の強度が高い作品に仕上がっている。鑑賞者を作者と同じ視点に立たせることに成功した優れた作品と言える。