学校法人トキワ松学園 横浜美術大学 Graduation Exhibition Archives 卒業制作アーカイブ

彫刻

宮部 花菜Hana Miyabe

2020最優秀賞
現れ

ガラス

サイズ可変

教員コメント伊藤幸久 准教授

高い熱を加えるとガラスは溶け、時にひび割れる。作者はそのような現象を他者からの刺激によって変化する人の心と重ね合わせた。
本作はビー玉やガラスビンを組み合わせたものを電気窯の中で高温焼成し溶かして作られている。その最大の特徴は作品の根幹を窯の中で起きる現象に委ねた点である。その制作態度には他者からの言動やアドバイスに反発せず、他者との関わりによって起こる自らの変化を肯定的に受け入れる作者本人の生き方が反映されている。
窯の中で起きる自分の意思が介さない現象を作品化するために、多くの試作と選別、台座制作や照明による見え方の調整など、作品の外堀を埋める作業に献身した。それにより些細な現象を自身の表現へと昇華させた点を高く評価したい。