絵画
アクリルガッシュ
サイズ可変
作者はこの作品について、「自身が描かれていない自画像のような作品」と言い《物言わぬ花》とタイトルをつけました。
2点の作品には、熱帯温室の空間に横坐りする、伏し目がちな女性と遠方を見つめる女性が描かれています。女性の2つの視線の方向は、内に向かう感情と外に向かう感情を表しています。また、女性は花に例えられることから、タイトルにある花はこの女性であり、作者の内面の世界であることが伝わって来ます。
この内面性を表すために曲線的な変形支持体を作り、相反する2つの感情に揺れる青春期を象徴性と力強い造形性により見事に表現しました。
この作品からは、作者のさまざまな思いを感じると同時に、鑑賞者自身の記憶も呼び起こされるのですが、それは優れた作品であることの証だと思います。