映像メディアデザイン
インスタレーション
470×200×300cm
人一倍家が遠かった作者は、高校の下校の道すがら色々な物を目にしました。車や人はもちろん、犬や猫や虫、石ころや風…、様々なものとすれ違い、そして一人物思いに耽るのでした。上京し一人暮らしを始めても下校の道が続きました。遠い街並み、郷愁の夕暮れ、虫の鳴き声、鳥の死骸、蝉の抜け殻…。成長した作者は、少女時代と何ら変わらぬイメージと再会するのです。近くて遠い渋谷は、喧騒の中で静寂を感じさせ、こんなにたくさんの人がいるのに知り合いが誰一人いない孤独を感じさせるのです。雑踏や騒音は孤独感を一層際立たせ、作者の原体験から及ぶそんな気持ちがこの空間の中に押し留められているのです。静寂や孤独、寂しさ、でもしかしそこはまさに作者の居心地の良い《Eden》の園なのです。