イラストレーション
イラストレーション
アクリル、パステル、ペン
65.2×53cm×9点
80.3×65.2cm×1点
下町の路地を歩く時、家々の軒先に置かれた様々な鉢植えを見る楽しみがあります。その時々の季節に見られる花々、家主の趣味の園芸の雑然と置かれた多数の鉢の中にある小さな季節を覗き込む、そんな逍遥の醍醐味がこの作品のテーマです。
作品一点一点の風景の構図はすこしズレがあるような不安定さがあります。目線の高さやモチーフからの距離、中にはクローズアップされた花もあるなど、構図としては一貫しておらず、素人のスナップ写真のように切り取られた構図の作品を多数並べ、散歩をする人の視点の散漫さを表現しています。それによって路上園芸を見る楽しみを伝えることに成功しています。
モチーフに対しては装飾的で、平面的なデフォルメを用いて描かれていますが、一点一点で完結しない全体の視点を意識した作品作りによって逆にリアリティを感じる作品につながりました。