クラフト
金工
220x85x85cm
作者が新入生の時に「大学生活の間に甲冑を制作したいです。」と、自己紹介をしていた様子を今でもはっきりと覚えています。3年次から日本の甲冑を自身のテーマとして課題に取り組むようになり、卒業制作では意欲的な研究姿勢とそれに対する強い意志で目標を成し遂げることができました。
制作にあたり作者が拘っていたのは実際に装着できる点でした。甲冑は全身を守るために各部位に合わせた形態の違いと機能を備えていますが、それを再現するために試行錯誤を繰り返し研究してきました。また、時代毎に変化する甲冑の特徴を捉えつつ、「新型コロナウイルスに打ち勝つものをつくりたい」という思いが兜の意匠に込められています。メインとなる鍛金技法や彫金技法による金属造形に装飾的な漆造形も加えるなど、丹念に作り込まれた作品の密度と充実した研究内容が高い評価を得ました。