クラフト
木工
120×110×80cm
作者はこれまで過ごしてきた街の景色に、様々な感情を抱き心に刻まれていく記憶を辿らせた造形表現を求めて研究制作を続けてきました。本作では自らの記憶について自己分析を行い、その過程に起こる心境を着眼点として造形表現されています。全体は具象的な胸像として表現しているのに対して、目元や頭の中に広がる空間は作者が過ごしてきた街並みがぼんやりと投影されたかのように並べられています。作品の中で二つの表現方法を差別化することで自身のテーマの重要なところに自然と目が向くように工夫を凝らしています。ジェンダーレスな容姿や人により異なって捉えることのできる表情は鑑賞者それぞれの記憶を呼び起こす誘因となり、人々の心境に訴えかける魅力ある作品として高評価を得ました。